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UN-GO op.2~無情のうた~

2011年11月16日 19:45

もう二度と歌えなくなった少女の絶望が描かれる第2回。
それでも、歌う。空に向かって。声よ、届けと。

・偽りの歌姫

<あらすじ>
投資家の長田久子が殺される事件が発生する。その事件概要を泉から聞かされた麟六は、被害者と愛人関係にあった荒巻敏司を犯人と断定した。久子の娘である長田安はこれに納得できず、独自に新十郎に依頼を出すことにする。新十郎はこの事件の真相を因果と共に調査することになり、この事件には「夜長姫」というあるアイドルグループが関係していることが分かった。



<感想>
今回の「因果日記」、くだらないことなのですが、不覚にも笑ってしまいました。

それはさておき、今回のエピソードの底本は「明治開化 安吾捕物帖」の中の「ああ無情」という話なのですが、事件発生の舞台背景は違うものの、概要や手法はだいたい同じです。原作の新十郎を以てしても、「今まで接した犯罪のうちで、この事件ほど巧妙に組み立てられたものはありませんでした。カラクリは幾重にもはりめぐらされて重点を巧みにそらし、殆どつけいる隙がない如くに完璧な構成を示しております」とまで言わしめるほどの高度な事件だったようですよ。

残念ながら、アニメは「推理」に特化しているわけではない(と私は勝手に思っている)ので、この事件の「美しさ」みたいなものは感じられないですよね。原作では、容疑者一人一人のアリバイを事細かに検証してたりもするので、読んでいて随分と頭を使わされましたw新十郎も犯人の手際には感服させられたみたいです。



ただ、舞台背景としてはアニメの方がなかなか興味が惹かれましたね。

このエピソードでは、歌を奪われた一人の少女が、歌を奪り戻す為に罪を犯します。
彼女の大切な歌を奪ったのが、今回の被害者で、彼女の母親であり、「夜長姫」のプロデューサーであった長田久子なのですが、この事件の裏には麟六や、ひいては、検察や警察も一枚噛んでいたかもしれない、というのが面白いところ。

戦争の直中で、報復テロに対し徹底抗戦を歌い、日本国内を高揚させた「夜長姫」。
戦争に超然と立ち向かい、最前線で反戦の歌を歌う彼女たちの姿は、勇ましく、それはそれは称えられたことでしょう。まるで、「英雄」のように。
しかし、戦争の終結と共に、新情報拡散防止法が制定され、「夜長姫」は不要の存在になっていきます。「英雄」の末路は正に、ただ堕ちてゆくだけ。
久子はそんな哀れな彼女たちを最後まで見捨てずにいたのですが、そんな「英雄」の犠牲になった安にとっては、それすらも許せることではなかったのでしょう。
だからこそ、安は自分の母親である久子を殺し、その罪を「夜長姫」に被せようとしました(安が麟六の的外れな推理に困ったのはこういう理由ですね。そこで、安は新十郎に依頼を持ちかけ、事件の犯人を「夜長姫」であるように推理させたかったという)。

やっと、自分の歌を奪り戻すことができたと思った安ですが、真相は新十郎に暴かれてしまい、さらには、麟六や検察・警察の手によって、安は永遠に監視の対象になってしまいました(この辺りは、「虎山レポート」より)。



彼女はただ歌いたかっただけ。
「歌」という翼をもがれた彼女はこれからの一生をどうやって生きていくのでしょう。



今回の事件の犯人は、犯した罪に見合った罰を受けます。
しかし、彼女は最初から持っていた大切なものを奪われて、それを奪り戻そうとしただけなのです。
確かに、彼女は罪を犯してしまったのですが、それを思うと何だかやるせない気持ちになりませんか?

最後は彼女が空に向かって歌い出すところで終わるのですが、その時の安の想いは誰にも推し量ることはできないでしょう。
彼女は何もかもを失ってでも、それでもやっぱり、「歌うこと」しかできない少女なのでしょう。



全ては麟六の手のひらの上で転がっていた出来事ですが、子供はいつだって大人の都合のいい道具にされてしまいますね。
そんな大人に新十郎は「真実」を暴くことでささやかな反抗をしているのでしょうか。



ちなみに、「夜長姫」は「ああ無情」の中では出てきません。おそらく、同作家の「夜長姫と耳男」という作品から持ってきているのではなかろうかと思うのですが、もちろん、アイドルグループでも何でもありませんwこちらの話は「明治開化 安吾捕物帖」とはまたテイストが異なり、怖いというか恐ろしいというか、そんな話ですね。
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